世界的に評価の高い1983 年作の大名盤『月姫』以来となる新作フル・アルバムをリリース!その『月姫』の続編と位置付けられた今作は、真骨頂となるジャパネスク~オリエンタル~和洋折衷の匂いはそのままに“妖のファンタジー”をコンセプトに『月姫』のその独特の世界観を更に推し進めた壮大な1枚。アップデートされたメロディ・センスが存分に発揮され、美しいシンセ・サウンドの魅力を堪能出来る楽曲群。
『夢飛行』『NIRVANA』『月姫』に参加した松武秀樹と再びタッグを組み、”シンセ・ポップの才媛”が新たな物語を紡ぎ出す。
01. 精霊の森
02. トキサカシマ
03. 恋はからげし夏の宵 / Ton-Ten-Syan
04. 異国蝶々
05. エルフの輪
06. 妖の花
07. 幸せの粒
08. 精霊の森 Prologue
09. 東京 Lover(Single Version / 1981) *CDパッケージ限定
奥深い夜の森を連想させるイントロのSE、サビからより深く力強く展開していく緊迫感のあるメロディ、そして東洋と西洋の秀逸なミックス感が“妖しいファンタジー”の始まりを予感させる「精霊の森」。“時を遡る旅”がテーマの表題曲「トキサカシマ」は水の中へ落ちていくような、あるいは世界の底に潜っていくような不思議な世界観が見事に表現され、練り上げたサウンドメイクが映える美しいアンビエント・ポップ。和楽器をフィーチャーした1980年作『夢飛行』の「お祭り」、1983年作『月姫』の『さても天晴 夢桜』に続く、“和風三部作”の完結編となる「恋はからげし夏の宵 / Ton-Ten-Syan」は“トン・テン・シャン”という言葉の響きと“三味線×シンセ”サウンドが鮮烈な印象を与えるジャパネスク・ポップ。スカ~オリエンタルを始め、多国籍な要素を絶妙なバランス感覚でパッケージした「異国蝶々」は収録曲随一のダンサブル・ナンバー。
“妖精たちのダンス”が描かれた「エルフの輪」はミニマル・ミュージックの陶酔感と浮遊感のあるボイスエフェクトが聴き手をどこか違う世界へといざなって行く。アルバムのキーワードである“妖”が色濃く滲み出る「妖の花」は透明感漂うシンセとメランコリックな美しさをたたえるヴァイオリンが特徴的なオリエンタル・バラード。『月姫』のタイトル曲「月姫」から連なる「幸せの粒」では、めくるめくポップの粒子と煌めく歌が極上のテクノ~シンセ・ポップを作り上げている。「精霊の森」で始まった今作は、対(サカシマ)となるエンディング・トラック「精霊の森 Prologue」によって1つの物語へと昇華され、そして新たな物語の“プロローグ”を告げる。
*東京 Lover( Single Version / 1981)
『夢飛行』に収録された同タイトル曲のアレンジ違いのシングルとして当時7インチレコードで発売されたもので初CD収録となる。